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とりあえず二点まとめると、(1)今月予定されているダライ・ラマのタワン県訪問は単なる国境地域の訪問ではなく、まして台湾や日本、米国訪問といった暢気なものではなく、中印国境を巡る深刻な問題を孕んでいる、(2)国内新聞報道は、こうした問題の背景を理解していないかもしれないが、日本版ニューズウィークはこの問題の要点を中国寄りに隠蔽しているようだ、ということになる。
 日本版ニューズウィークを結果的に批判した形なったが、それでも同記事を掲載している点は大きく評価できる。特に同記事が重要なのは、国境間で軍事力が抑制的に機能していることを鮮やかに描いている点だ。
 中印間の核戦争を回避するには、一つには、軍事力を整備して中国の暴発を抑える必要があり、それには、米国を主軸に、日本と台湾が協力しなければならない。
 ここでは触れられていないが、日米台湾の連携は、チベット地域のみならず、インド洋におけるシーレーンを巡る中国との争点が存在する。もっとも、この連携の要の一つである日本が崩れようとしている現在、その欠落は、中印紛争の圧力を高める形で機能することに加え、まさに同構造である台湾問題を危険にさらすことになるだろう。
 もちろん軍事以外に外交も重要であり、同記事では、インドは中印問題を慎重に考慮して、ダライ・ラマのタワン県訪問を無限延期とすべきだとしている。しかしその後の動向では、インドはダライ・ラマへに同地訪問の認可を与えたようだ。背景には、インドにおける、国境を巡るナショナリズム高揚があるが、同等のナショナリズムは中国も抱えている。困ったことに、中国では江沢民派の復権党争が実質開始されており、そうした枠組みに巻き込まれる事態があれば、非常に危険なことになりかねない。